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2012-07-24 11:00:00

 

今年もまた一人の男の先生を慕って、ある「同窓会」が開かれました。

その先生とは宮城県立宮城野高校の倫理社会の教師であったY先生です。

 

当店でアルバイトをしていた教育学部の女子学生がY先生の教え子であった縁で、

彼女の在学中から当店で始まった「同窓会」は、彼女の卒業後も続いています。

 

集まるのは、Y先生の授業を受けた元生徒20人前後で女子が多いのが特徴です。

必ずしも担任であったということはないのに、卒業年次もバラバラでも集まれることが、

Y先生の人間性を語っています。

お互いに知らなくても、Y先生を慕う先輩、後輩たちが集まるのです。

 

会の終盤に、様々な進路に進んだ元生徒たちが近況を語り、先生が最後に締めます。

元生徒のなかには、現在必ずしも順風でない方もいるようですが、飾らずに率直に語り、

この会で勇気をもらって帰るようです。

そんなひとを、私も心の中で応援してしまいます。

 

私の高校時代の担任で、日本史教師であった黒羽清隆先生は、今から25年前に、

53歳のお若さで他界されてしまい、謦咳に接することができなくなりました。

 

私は、Y先生のご健勝と、この会のご隆盛を心から嬉しく思いますが、

一方で、毎年開かれる我が高校のクラス会では歳月の経過により心の隅にある、

黒羽先生のおられない寂しさを、この会では思い切り感じてしまいます。

 

先生ご存命ならば女子の出席者だってもっと増えたはず。

黒羽先生の幅広く豊富な知識の楽しいお話を、「独演会」で聞きたかった。

高校生だった私たちが、それぞれの人生経験を経たいま、じっくりお話ししてみたかった。

 

 先生と生徒の関係といえば、一般的には、授業以外でも接することの多い小、中、高の

担任の先生につきます。

 

黒羽先生は東京新宿の区立東戸山中学校教師から教育者人生をスタート。

私たちの都立大学附属高を経て学芸大学附属高教師に転じられた後、

静岡大学の教授になられた方で、少年時の戦争体験をふまえて、

歴史を通じて若いひとへの教育には人一倍力を注がれました。

 

もうお考えをお聞きすることはできませんが、かつて黒羽先生も勤められた

中学校という場で、担任の先生にも校長にも見捨てられてしまった少年を、

あのような悲惨な事件が起きたことを、どのように思われたことでしょうか。

 

いつまでも先生を囲む心温まる集いや、慕われる先生があれば、

最良の思い出も作ってあげられない学校や先生がいる。

大津の事件では、報道される以外に問題の背景はわかりませんが、

まずは教師、先生にしっかりしてもらわないと。

 

私は唱歌「仰げば尊し」が好きですが、歌われなくなった理由はそういうことなのでしょうか。