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2012-03-07 00:00:00

春になれば すがこもとけて

どじょっこだの ふなっこだの

夜が明けたと 思うべな

 

おなじみの唱歌、「どじょっこ ふなっこ」です。

この歌が生まれた秋田や東北地方では、まだまだ冬の佇まいでしょうが、

日差しは少しずつ春が近いことを告げています。

 

控えめで地味だと思われる、秋田弁の方言によるこの曲が、

小学校唱歌として、日本中で愛唱されているのは、

方言のぬくもり、やさしさと、ドジョウやフナの目から見た

四季の景色が鮮やかであることが大きいと思います。

 

作曲をしたのは東京、玉川学園の音楽教師、岡本敏明。

昭和11年、20名ほどの同校の音楽隊が、東北公演で秋田市金足西小学校を訪問。

歓迎会で地元の教師がひとりづつ民謡を唄うことになり、

歌う曲がなくなり困った中道松乃助という先生が、いわゆるズーズー弁で、

民謡とも詩吟ともつかぬ、この曲のもと歌を披露したそうです。

 

テレビ放送(BSーTBS)の中で、原曲となった貴重な音源を聞くことができましたが、

のどかで、とても味わいのある曲でした。

「どじょっこ ふなっこ」につながるユーモラスなムードがあり、愛らしい癒し系の曲です。

 

岡本はこの曲に啓示を受け、一晩で、合唱曲に仕上げ、

今に至るこの愛唱歌が生まれたのです。

作詩者、豊口清志については、もと歌があったことから、

作詩補とするのが適切であるという説もあります。

その日の放送では、作詩の部分は「東北わらべうた」となっていました。

 

もと歌は、西津軽地方で歌われていた田植え歌に似ているといわれ、

羽州街道を通じて、津軽地方から秋田県能代市に伝わったようです。

 

いまなら、ケイタイやメディア媒体で、そのまま即伝わってしまいますが、

むかしは長い長い時間をかけて、秋田の曲となって歌い継がれ、

偶然にそれを聞いた作曲者が、見事に昇華させたのでした。

 

ことしは東京にも、すがこ(氷)が張るほど寒い冬でしたが、

ここ早稲田にも、もうじき春がやってきます。

「3つのオレンジへの恋」にも。

そして みなさんに。

 

(付記)

現在の歓迎会であれば、皆さんカラオケで自慢ののどを披露することでしょう。

そして、この愛すべき名曲が誕生することはなかった。