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2011-12-03 13:00:00

由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」が、海外で大ブレイクしているそうです。

 

私は、深夜ラジオを聴き始めた高校2年生頃から浪人時代にかけて、ラジオ番組のテーマソングであったこの曲を、毎夜耳にしていました。

そのときには、まだ、曲名もついてはなく、歌詞もない「スキャット」部分だけでした。軽快なギターのイントロから始まるこの曲を、透明感のあるきれいな声で歌う歌手が誰なのかも分りません。

 

やがて幻の歌手は、美貌の大型新人、由紀さおりとして登場、テレビ、ラジオでその美声を披露しました。

後には、女優も演じて幅広い活躍をしていますが、当初は、由紀さんが童謡の安田章子さんと同一人物だとは分らず(知らさず?)、結構、謎めいた存在でした。

 

当時、大橋巨泉氏は、「ルールル」というのはジャズでいう「スキャット」ではないこと、この曲のメロディが、サイモンとガーファンクルの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」と、うりふたつだと指摘していました。

たしかに似ているとは思いますが、、由紀さんの歌唱力に支えられ、この曲は当然のことながら、大ヒットを記録しました。

 

これはまったく、私の素人見解ですが、由紀さんの名唱を得て、この曲が放つ美しさと衝撃は、ジュディ・オングさんの名曲[魅せられて」のそれに似ているのではないかと思っています。曲想はまったく違いますが、なにかを予感させる前奏からして、何度聞いても新鮮です。

 

「夜明けのスキャット」。

この曲の流れる、ラジオ番組では、たしか俳優の清水紘治さんの、落ち着いた声によるナレーションで、この曲によって、夜の静けさや寂しさが増幅されて、清澄な、永遠の宇宙に、自分が消え入りそうな想いにとらわれたものです。

浪人時代には、この曲がいっそう切なく響きました。

 

「夜明け」がつく曲というと、ピンキーとキラーズの「恋の季節」の中に、「夜明けのコーヒ- 二人で飲もう」というオシャレで、ドキリの歌詞がありました。

そして、惜しくも病に倒れた実力派、岸洋子さんの絶唱「夜明けの歌」があります。

「夜明けの」ということばには特別な力があるのか、よい曲がある気がします。

 

私は「夜明のスキャット」のレコードが発売されるとすぐに買いました、

シックにすまし顔の由紀さんのジャケットでした、もちろん、後にCDも買いました。

 

この曲が世界にブレイクしたキッカケは、アメリカのジャズバンド、ピンク・マルティーニのリーダーで、彼は、店頭で、偶然、由紀さんの中古レコードを見て、手に取った、いわゆる「ジャケット買い」だったそうです。

 

そして、由紀さんは、英国名物「プロムス」の会場となる、ロイヤル・アルバート・ホールで、そのピンク・マルティーニと競演。

日本で「夜明のスキャット」が流れたときと同様に、「無名」だった由紀さんは、7千人の聴衆からスタンディング・オベーション、絶賛を浴びました。

 

私は、小学生のときに新宿の朝日生命ホールでお姉さん、安田祥子さんの童謡を聴いたことがありました。

由紀さん、祥子さん安田姉妹は、彼女らの成長とともに、日本中が、少年・少女期、青年期、成人期、熟年期の各段階で、歌声を楽しませてもらっています。

 

「筋書きのないドラマ」、「運命の力」によって、由紀さんの瑞々しい歌声は、世界を魅了させることとなりました。

世界中のひとが、「夜明のスキャット」を、深夜、ひとり静かに聴いて、夜のしじまに溶け込んで欲しい。

 

そして、今度は「世界の由紀さおり」が、お姉さんと二人日本が誇る「唱歌」、「童謡」で、再び世界を魅了して欲しいものです。

 

ところで、心の中にやさしく溶け込む、「3つのオレンジへの恋」のオムライスのイメージは、夜のしじまよりも、明るい陽光が似合うかもしれませんね。