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「石焼きのオムライス美味しかったですよ」
一見、口が重そうな年配の男性客から、思いがけずこう言って頂くと嬉しいものです。
「またどうぞ」
「三重から来たから・・・」
おなかも心も満たされたその男性は、「某先生最終講義」の聴講に向かいましたが、そんな一日、よくぞ、当「3つのオレンジへの恋」にお出でいただきました。
2月になって、年度末に関係があるのか否か、キャンパス内には「〇〇先生最終講義」という立て看板が目立ちます。
お名前を聞きそびれてしまいましたが、一人の教授はオムライスとコーヒーを召し上がったあと、にこやかに言われました。
「これから最終講義です」
「ハレの」会場に向かわれる前、苦笑いされながら、“慣れないサスペンダー”(本人談)の身づくろいに少々とまどっておられましたが、気負いもなく落ち着いた佇まいには、穏やかなお人柄が伺えました。きっとご立派な「道」をつくられたことでしょう。
私は、先生の友人と思われる一緒に見えた男性に、「(学者は)好きな研究に一生を捧げられてうらやましいですね」と言いました。
私なんぞ、会社勤務では、やりたい仕事に就けるわけでもなく(世の中、そんなものですが」)、気苦労ばかりだった。
一方、うらやましい学生さんもいました。
卒論のテーマが「オペラ市場」だそうで、「趣味」の延長で勉強・研究できるのですから、こんなうれしい作業はありません。文学部や芸術系かと思ったら、たしか商学部だとか。
歌劇「3つのオレンジへの恋」はまだ聴いたことがないそうだが、去年、立教大学からやってきたオペラ好きの学生の話しをしたところ、元立大教授で音楽評論の大家、皆川達夫さんのお名前はさすがに知っていた。
私の法学部時代の同級生には、小うるさいほどのクラシック音楽好きが多かったものだが、商学部のその彼が、周りにオペラ好きの友人がいないと嘆いていたのは贅沢な悩みか。
私が学んだ法学部には卒論がないが、こんなテーマが選べるのなら、商学部という手があったなあ・・・今だったら4年間かけて絶対に「優」を取ったぞ!?。
(前回の記事は「早くも受験の季節」でした)